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2020.6.21



部分日食3元生中継!
実験①:地球の大きさを測る
実験②:月までの距離を測る





6/21の部分日食見えましたか?新型コロナウィルスの影響で、いろいろな機関がライブ配信していましたので、それを見た方も多かったと思います。そんな中で我々は、無謀にも3元中継をしました!東京、明石とホーチミンです!ベトナムは金環食帯の南に位置し、欠ける方向が違うのです。見え方の違いを見て欲しかったのです。


また、合わせてこんな実験も計画しました。

実験① 地球の円周を測ろう!

実験② 月までの距離を測ろう!


実験①は、夏至にエラトステネスが太陽を利用して地球の大きさを測ったことに、現代でも挑戦しよう!というものです。今回の部分日食は、夏至に起こった珍しいものです。

実験②は、日食や月食を利用してヒッパルコスが月までの距離を測ったことに、挑戦しよう!というものです。


ライブ配信は、こんな感じで企画しました。計画ですよ。計画。

⭐️中継時間⭐️

🔹15:30〜15:45 オープニング🎉

 ベトナムのホーチミンでの日食スタートを中継します。

🔹16:00~16:15 日本日食はじまり〜❣️

 東京と明石で、日食がはじまる様子を中継します。ホーチミンとの比較も楽しみ。

 実験① 地球の円周を測ろう!の結果を報告します。

🔹17:00~17:15 日食の最大✨

 ホーチミン、明石、東京の三地点で一番欠けるタイミングです。欠け具合を比較してみましょう。

🔹17:55~18:10 フィナーレ🎊

 明石と東京で部分日食が終わるところを中継します。

 実験② 月までの距離を測ろう!の結果も報告します。


実際には、2回目と3回目の間に日本で日食が見えた段階で写真を少し配信しています。また、最後は3か所とも天気が悪くなってきた(東京はこの後実際に雨が降ってきた)ので中止しました。



場所は、東京都町田市、兵庫県明石市、ベトナム ホーチミン市です。ホーチミン側はさらにベトナム各地を結んでいました。3か所それぞれ担当したグループはこちらです。 よしなにお願いします。


<東京都町田市>

星空の学校 ~École Étoile~(エコエト)

https://www.facebook.com/ecoleetoile


<兵庫県明石市>

サイゴン星空ナビ 〜Starry Sky @ Saigon 〜

https://www.facebook.com/groups/starryskysaigon


<ベトナム ホーチミン市>

Saigon Astrokids

https://www.facebook.com/saigonastrokids



なんで町田から中継したかというと、打ち合わせがあったからです(笑)場所は町田の薬師池公園四季彩の杜ウェルカムゲートというところです。薬師池公園の中でオープンしたての新しい公園になります。エコエトとのコラボイベントが始まる感じですので、よろしくお願いします。最近、町田と縁が深くなっています。



中継のアーカイブはこちら!

https://youtu.be/oiD1RhGl3Ok


中継① 00:00~(音声がとぎれとぎれです)

中継② 14:50~

中継③ 1:14:20~

中継④ 中止


YouTubeに飛ぶとそのコメントの最初に書いてある時間をクリックすることでもその時間に飛ぶことができます。1回目は飛び飛びで聞きづらいですが、2回目や3回目はだいたい大丈夫です。内容はともかく(笑)



BUMP OF CHICKEN の日食グラスなんてあるんですね。限定品で、メンバーが持ってきてました。



この時は、薄雲の中に太陽が見えていました。日食グラスで見るとこんな感じでした。実験①を太陽の南中時にやる必要があるので、太陽で影ができないと困るのです。



エラトステネスが夏至にエジプトで測ったのが最初と言われています。エジプトの南の外れのシエネでは夏至に太陽の光が井戸の底まで届きます。つまり、真上に太陽が来ます。エジプトの地中海沿いのアレクサンドリアは、経度がシエネと同じとされ、アレクサンドリアでの太陽の南中高度と2地点間の距離を測れば、地球の大円周分かると気が付きました。今日は、夏至で、これにならって測ります。


東京、明石、ホーチミンの3か所で、シエネに相当する、それぞれの経度で北回帰線までの距離を計算しておきます。Googleマップで距離測定してもいいですね。そして、実験でΘを測って、地球の円周の大きさを測ります。



町田の太陽の南中時間は、11:43です。その前に晴れていたので、日食撮影の練習をしていました。


そして、11:43。町田での南中時間に晴れてくっきりと影が出てくれました!



東京①

100均で買った立方体の入れ物で、一辺に凹みがあって、竹串をぴったり固定できるのです。これで垂直が出ますね。乗っている場所が水平になるように水準器で調整しています。 東京の太陽の南中時刻11:43に影の長さを測って、棒の長さから三角関数でΘを求めました。

Θ=atan(影の長さ/棒の長さ) です。



東京②

バーベキュー用のステンレスの串を木片で固定しています。これも垂直が出て、さらに長いので計測制度が上がりそうです。



H-IIBロケットの模型です。前日に府中市郷土の森博物館に星景写真を見に行ったときにメンバーが購入したものです。これ、4色ボールペンなのです。見た目はいいのですが、夏至で影が短いために、フェアリングで影の先がはっきりと分かりませんでした。中心もわかりづらく、垂直もちょっと怪しい。



東京④

②と同じものですが、角度を分度器を使って実測しています。



明石

棒を立てて、分度器で測っています。 また、影の長さから三角関数でも計算しています。



ホーチミン

ホーチミンはイベント化していて、たくさんの人がいろいろな方法で計測していました。 写真は、三脚を立てて糸を垂らして垂直を出しています。なるほど、工夫していますね。また、計算用に絵を描いた紙まで準備してました。楽しそうですね。



がんばって、計算しています。



そして、結果です。


これらを総合すると、38,800 ± 3,310 kmという数値が出ました。③以外は、結構いい値が出てますね。③は説明したようにH-IIBロケットの先っぽの影がよく分からなかったのです。


ちなみにエラトステネスは、46,000kmと計算したと言われています。


地球1周は4万kmですので、なかなかいい値がでているんじゃないでしょうか。


そして、公園の担当者と打ち合わせです(笑)



打ち合わせが終わって。。。

準備してます!

今回の町田チームはなんとグランピングです!



肉をほうばりながら優雅に中継しようと。しかしです、それどころではなかった。。。ドタバタで肉はかき込むように食べてました。でも肉もアヒージョもとっても美味しかったです。見晴らしのいい芝生でグランピングするのは気持ちいいですね。次は、ゆっくりと楽しみたいです。



配信形態は、こんな感じです。いろいろ、だいぶ、いや、かなり検討した結果、3か所からzoomに映像を流し、そのzoom画面をそれぞれFacebookやYouTubeに配信するというものです。


エコエトでは、YouTubeに加えて、Facebookでの配信も試みましたが、回線が細くYoutubeがとぎれとぎれになってしまったので、Facebookは配信①のみです。



実際の画面はこんな感じです。初回の配信です。


このときは、右側上から、YouTubeへ配信するためにZoom画面をパソコンに表示させるためのアカウント、東京の太陽、ホーチミン(HCMC)からの配信、左上から、明石の様子、東京からの配信、明石の太陽(曇って見えていない)です。



2回目の配信で、ベトナム側が欠けた太陽を見せてくれました。ホーチミンは曇っていましたが、ハノイは晴れていて、その映像です。パソコンに映したのを手で持ってそのまま映すというアナログ感。こういうのとっても好きです。ナイスでした。


しかもパソコン持ってますので、画面共有できません。なので、こちらのキャプチャーソフトで大きくするということをしてます。



ベトナムと日本の太陽が並んでいます。日本はまだ欠けてなくて、ベトナムはこんなに欠けてるのですね。



3回目の配信では、東京が欠けている状態を流すことができました。 その後、町田は黒い雲が広がってきて、明石もホーチミンも曇っていたので、配信はここで終了しました。



明石は、コルキットにスマホコリメートで太陽を、パソコンのカメラで様子を映していました。そのパソコンのカメラには子どもたちがたくさん映ってきました(笑)曇ってしまいましたがとっても楽しそうです。



最後に月までの距離の計算です。天文では、比較的近い星までの距離は三角測量の原理を利用します。月の見え方の角度の違い(視差)を日食を使って測り、ベトナムと日本の距離から計算します。



視差を感じてもらいます。ペンを持って腕を伸ばしてください。次に右目をつぶって、左目で遠くのもの(写真では電柱)を見ます。そして今度は右目で見ます。するとペンが背景(電柱)に対して動くと思います。これが視差です。人はこれで遠近を感じているようですね。実際には眼球は点ではなく網膜が広がっていますので、三角測量とは違うようですが、2か所から見た違いは体感はできましたでしょうか。



扇型の式は、p=d/x となります。このとき、pの角度はラジアンという単位になります。これを角度に直したものが、その下の式になります。また、dは円弧ですが、十分に遠いので直線と考えてもいいでしょう。この式にdとして日本とベトナムの距離、実測したpを入れると、月までの距離xが求まります。


通常の月を見ただけではその差を測るのは至難の業ですが、日食の時はとっても遠い太陽を固定すると月の位置がベトナムと日本で異なり、視差pを測ることができます。太陽があると分かりやすいでしょ。



測定結果から計算してみます。ホーチミンは曇りで写真が撮れなかったので、フンイエンの写真を使っています。


ベトナムと日本の両方の結果から写真を太陽を重ねて合成します。これだけ月がずれて見えてるんですね。



月の影の部分に〇を書きます。これが月ですね。


この月の中心の間が視差pです。月の視半径(見た目の月の半径の角度)は国立天文台の暦計算室の値を使います。これも、例えば、鉄塔などを使って、通過する時間から求まりそうですね。この半径とpの紙上の長さを測って、その比からPの角度を求めました。


日本とベトナムの距離は、2,802kmです。


この2つを先ほどの式に入れると、385,000kmになります。歴計算室では当日の月までの距離は、387,809kmでしたので、ほぼピタリ賞ですね。


ですが実は、距離の計算のところで、地球上の選択が100kmずれると月までの距離が10,000kmくらいずれます。これだけで、測定誤差が数万キロはありそうです。ぴったりなのは運が良かった感じです。



日本とベトナムの距離が2,802kmと言いましたが、Google map で距離計算をすると3,646kmです。実は、ここまで曲折があって、最初に月までの距離を計算したときは、420,000kmでした。


まあ、これでもだいたいいい感じではあるのですが、なんでだろうとずっと考えていました。ふと、扇型(だいたい二等辺三角形)で計算しているけれども、二等辺三角形ではないんじゃないかと気が付きました。


右の地球が計算時間に月からみた地球です。日が傾いていて、日本もベトナムも月から見るとだいぶ端の方に来ています。このとき日本とベトナムは、月から見ると日本が奥の方に見えます。つまり、月ーベトナム-日本の三角形は、二等辺三角形ではなく、だいぶいびつな三角形になります。月ーベトナム-日本の三角形は、下の青と緑で作った三角形になって、二等辺三角形になりません。


これを補正します。緑色の線をオレンジ色のところまで持ってくるのです。その方法もアナログです(笑)きっと三角関数を駆使すれば求まるのでしょうけど、そこまでできませんでした。 アナログな方法とは、左右の地球を比較する方法です。左の地球は、日本とベトナムの中心地点を正面にしています。月から見た日本ーベトナム間の距離はだいたい実際の距離(3,646km)になります。この線の紙上の長さと右側の日本ーベトナム間の長さを測って、その比率から、月から見た日本ーベトナム間の見た目上の距離を求めます。これが先ほど計算に使った2,802kmです。



今回は、とってもバタバタで忙しかったですが、実際に日食も見ることができ、実験も面白く、とても満足です。これも仲間と一緒にできたことも大きかったと思います。すごく楽しかったです!


また、中継できるといいな。



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